株を買うときよりも、売るときを決める方が難しい。
これは、私が個別株投資を続ける中で実感したことです。
株を購入するときは、配当金が欲しい、株価が上がりそう、企業の将来性に期待できるなど、それなりの理由があります。
でも、いざ株価が下がり始めると、いつ売ればよいのか分からなくなることがあります。
「もう少し待てば戻るかもしれない」
「今売ったら損失が確定してしまう」
そんな思いから、なかなか売却に踏み切れません。
私自身、これまでに購入した個別株の中で、帝人は損切りし、クボタは現在も保有しています。
どちらも購入後に株価が低迷した銘柄です。
それなのに、なぜ異なる判断をしたのか。
今回は、この2つの銘柄を通じて学んだ、個別株の売却判断について書いてみたいと思います。
帝人とクボタを購入した理由
私が帝人とクボタを購入したのは、旧NISAで個別株投資をしていた頃です。
それ以前にはソフトバンクやJTを購入していましたが、こちらは主に配当金や株主優待が目的でした。
一方、帝人とクボタは企業の技術力や将来性に期待して購入しました。
両社とも大阪に本社がある企業です。
当時、大阪に住んでいた私には、地元企業を応援したいという気持ちもありました。
もちろん、それだけで購入したわけではありません。
両社とも技術力があり、今後も社会に必要とされる企業だと考えていました。
特にクボタについては、農業技術の将来性に期待していました。
世界の人口や食料需要を考えると、農業の効率化は今後ますます重要になるのではないか。
その分野で技術力を持つクボタには、長期的な成長の可能性があると考えたのです。
帝人についても、素材分野などの技術力に魅力を感じていました。
当時の私は、優れた技術を持つ企業であれば、株価が大きく下がることはないだろうと考えていたように思います。
しかし、実際に投資してみると、そう単純な話ではありませんでした。
帝人は購入後、株価が下落し続けた
帝人は、結果的にかなり高い価格で購入してしまいました。
購入した後、株価は徐々に下がっていきました。
最初のうちは、一時的な下落だと思っていました。
いずれ株価が回復するだろう。
そう考えながら保有を続けていましたが、なかなか期待どおりにはなりません。
そこで、同業他社の株価も確認するようになりました。
すると、東レなどの株価が上昇している一方で、帝人は低迷していました。
さらに、今後の業績や株価を押し上げるような材料を探してみましたが、当時の私には見つけられませんでした。
技術力があるという理由だけで、いつまでも保有していてよいのだろうか。
次第にそう感じるようになりました。
テスタさんの損切りに関する話が転機になった
そんなとき、個人投資家のテスタさんがYouTubeで損切りの重要性について話しているのを見ました。
その話を通じて印象に残ったのは、購入時に想定したシナリオが崩れた場合には、売却を検討することが大切だという考え方です。
私はそれまで、株を買う理由は考えていても、売る条件については十分に考えつことができていませんでした。
株価が上がることを期待して購入する。
でも、期待と違う方向に動いたときにどうするのか。
そこまで決めていなかったのです。
本来は株を購入するときに損切りするべき株単価、逆に値上がりしたときにいくらまであがったら売るのか、投資期間はどれくらいなのか(数日なのか、数ヶ月なのか、数年なのか、死ぬまでもつつもりなのか)を決めておくべきでした。
それを決めておかないと、いざその判断を迫られたときに適切な行動ができないからです。
改めて帝人について考えてみると、当初期待していた成長を裏付ける材料が見当たらず、株価の低迷も続いていました。
購入した際は、ただ「技術力があるからあがるはずだ」という考えしかなく、シナリオは一切ありませんでした。
それなら、損失が出ている以上、保有し続ける意味はないし、この株を売ったお金で別の投資先に使った方がよいのではないか。
そう考え、旧NISAの非課税期間が終了する頃、特定口座に移管される前に帝人を売却しました。
もちろん、損失が出たことは残念でした。
それでも、今後の成長を期待できる根拠がなくなったと判断した以上、売却することにも意味があると思いました。
クボタは株価が低迷しても保有を続けた
一方、クボタについては異なる判断をしました。
クボタも購入後、長い間、購入価格を下回る状態が続いていました。
決して順調な投資だったわけではありません。
しかし、帝人とは違い、私の中では保有を続ける理由が残っていました。
それは、農業技術の重要性が今後も高まっていくという考えです。
食料の安定供給や農業の効率化は、これからも世界的に重要な課題であり続けると思っています。
クボタが持つ農業機械や関連技術には、長期的な需要があるのではないか。
その考えは、株価が下がっているときも変わりませんでした。
そのため、旧NISAの非課税期間が終了したあとも、特定口座へ移して保有を続けています。
最近は株価も少しずつ上昇してきました。
ただし、今後も上昇するとは限りません。
それでも、私の中では農業技術や水をきれいにする技術が必要とされ続けるであろう展望は変わらないと自信を持って言えます。それが私がクボタを持ち続ける理由です。
この展望が変わる情勢になったとき初めて売却を検討すると思います。
今後も企業の業績や事業環境を確認しながら、保有を続けるか判断したいです。
損切りと長期保有、どちらが正解だったのか
帝人は損切り。
クボタは長期保有。
この2つの判断を振り返ると、どちらが正解だったのかを考えたくなります。
でも、私は株価の結果だけで正解・不正解を判断するべきではないと思っています。
例えば、売却したあとに株価が上昇したからといって、必ずしも売却が間違いだったとは限りません。
逆に、保有し続けた株価が上昇したからといって、保有判断が必ず正しかったとも言えません。
投資判断をするときには、その後の株価がどうなるかは分からないからです。
大切なのは、その時点で得られる情報から、納得できる判断ができたかどうかだと思います。
帝人は、当初期待していた将来性を裏付ける材料が見当たらなくなったため売却しました。
クボタは、長期的な事業の将来性への期待が変わらなかったため保有を続けました。
株価が下がったという結果は同じでも、保有を続ける理由は異なっていたのです。
この経験から学んだ3つのこと
1.技術力の有無よりも人気のある株の価格が上がる
企業の技術力と株価は、必ずしも比例しません。
株は企業の人気投票です。
どれだけ優れた商品や技術を持っていても、需要がなければ株価は下がります。
株式市場にいる人たちから「欲しい」と思われている企業であれば株価は上がるのです。
では「欲しい」と思われる株はどのような株なのか。
それは今後必ず必要とされる技術やサービスを提供しており、今後も業績が上がることが予想される会社です。
もちろん、その業績の上がり幅は大きければ大きいほど良いです。
さらに、市場の予測を超えれば超えるぼど、爆発的に伸びる。
そこに気づくことができていませんでした。
2.株を購入する前に確認するべきことがある。
私は帝人の今後の業績予想=成長余力はあるのか、今後注目される可能性があるのか、借金の有無などの企業分析が全くできていませんでした。
自分が節約して貯めた大切なお金を投資する以上、企業分析や繊維事業の今後の展望を確認する時間をしっかりと取るべきでした。
分析に時間をかけなかったからこそ、シナリオを持つこともできず、出口がわからなかったんだと思います。
3.含み損を抱えていることだけで判断しない
株価が下がると、早く売った方がよいのではないかと考えてしまうことがあります。
一方で、損失を確定したくないという気持ちから、保有を続けてしまうこともあります。
しかし、本当に重要なのは、購入価格より株価が高いか安いかだけではありません。
今、その株を保有し続ける理由があるかどうか。
その視点で考えることが大切だと思うようになりました。
4.株を購入するときに、売る条件も考えておく
(上記の2つ目に書いたことと少し重複する内容になってしまいますが・・・)
以前の私は、購入する理由ばかり考えていました。
でも、購入した理由が成り立たなくなったときにどうするかも、あらかじめ考えておく必要があります。
例えば、期待していた事業の成長が見込めなくなったときや、企業の競争力が低下したときです。
そうした条件を事前に考えておけば、株価が下落した際にも、感情だけで判断せずに済むと思います。
今後も個別株投資は続けたい
帝人では損失を出しましたが、だからといって個別株投資をやめようとは思っていません。
現在は、新NISAでの投資信託を資産形成の中心にしています。
一方、個別株については、配当金や株主優待、値上がり益を目的に投資を続けています。
今後、新NISAの非課税投資枠1,800万円を埋めたあとは、個別株投資にも積極的に取り組みたいと考えています。
だからこそ、今回のような経験を無駄にせず、企業を選ぶ力だけでなく、売却する判断力も身につけていきたいです。
目標は資産1億円を築いてFIREすること。
まだFIREしてません。
これからも失敗や成功を経験しながら、少しずつ投資の知識と判断力を磨いていこうと思います。
※この記事は私自身の投資経験を紹介したものであり、特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。株式投資には元本割れや減配などのリスクがあります。


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