30代、転職と収入アップ。お金を「貯める」から「増やす」へ

20代の私は、とにかくお金を使わないことで将来に備えていました。

手取り12万円の契約社員時代を経験し、ようやく正社員になって収入が増えてからも、生活水準はほとんど上げませんでした。

余ったお金は貯金。

ボーナスも大部分を貯金。

当時の私にとって、資産形成とはほぼ「貯金すること」でした。

そんな私が30代になり、転職や住宅購入を経験する中で、少しずつ考えるようになります。

貯めるだけで、本当に大丈夫なのだろうか。

ここから、私のお金に対する考え方は少しずつ変わっていきました。

一度諦めた仕事に、もう一度挑戦したかった

20代後半、私はインターネットショップを運営する会社で働いていました。

アクセス分析やバイヤー業務、顧客対応、出荷作業など、幅広い仕事を経験しました。

初めて年収300万円を超え、ボーナスも受け取れるようになり、それまでと比べれば生活はかなり安定しました。

それでも、ずっと心の中に引っかかっていたことがありました。

もう一度、設計の仕事をしたい。

20代前半に一度はやりたかった仕事に就いたものの、契約社員のまま正社員になれる見込みがなく、生活も苦しかったため諦めた仕事です。

本当は続けたかった。

でも、当時は続けることができなかった。

そのことが、ずっと心残りでした。

さらに、勤めていた会社の業績もあまり良くなく、今後大きく給与が上がる見込みもありませんでした。

やりたい仕事にもう一度挑戦したい。

もっと収入を上げたい。

その二つが重なり、私は30代で再び転職することを決めました。

肩書きより、「やりたい仕事」を選んだ

転職前の私は、バイヤーやマーケティングの責任者という立場でした。

一方、転職後は一般社員からのスタートです。

肩書きだけを見れば、後退したように見えるかもしれません。

でも、私自身はそうは感じませんでした。

前職では分析、商談、顧客対応、梱包、出荷、清掃など、本当にさまざまな仕事をしていました。

それに対して転職後は、やりたかった設計の仕事に集中できるようになりました。

私は、複数の仕事を同時に抱えるより、一つの分野に集中する方が性格的にも合っています。

何より、

「やりたかった仕事をしている」

という感覚がありました。

役職よりも、仕事内容を選んだ転職でした。

転職すれば、すぐに年収が上がるわけではなかった

とはいえ、転職したからといって、すぐに収入が増えたわけではありません。

当時は、一定時間までの残業代が給与に含まれる「見込み残業制度」の給与体系だったため、転職直後の年収は前職とそれほど変わりませんでした。

状況が大きく変わったのは、転職から約2年半後です。

会社の経営体制が変わり、働いた分の残業代がきちんと支払われるようになりました。

そこから年収が上がっていき、39歳頃には年収500万円に。

40歳で主任に昇進し、年収は600万円ほどに。

その後、係長に昇進し、年収700万円ほどになりました。

20代前半に手取り12万円で生活していた頃から考えると、自分でも信じられないくらい収入は増えました。

一段ずつではありますが、

「少しずつステップアップできている」

という満足感はありました。

チャンスだと思ったら、逃げずにやってみた

昇進のきっかけのひとつになった出来事があります。

40代に入った頃、同僚が長期間仕事を離れることになり、その人が担当していた業務を先輩と二人で分担することになりました。

私の専門とは異なる仕事も多く、さらに業務量は一気に増えました。

正直、かなり辛い時期でした。

慣れない仕事を覚えながら、自分の仕事もこなさなければならない。

残業時間が大幅に増え、睡眠を確保することも難しくなり、睡眠障害の症状に苦しめられました。

それでも私は、

「ここでやり切れば、必ず評価につながる」

と思っていました。

部署として苦しい状況を自分が穴埋めすることで、必ず上司からの評価は上がるはずだ。

今がチャンスなんだ。

そう考えて仕事に向き合いました。

結果として、その後係長に昇進しました。

もちろん、頑張れば必ず評価されるとは限りません。

でも、あのときは目の前に来たチャンスを逃さず取り組んだことが、昇進につながったと思っています。

年収が上がっても、安心はできなかった

収入は300万円台から500万円台、600万円台へと増えていきました。

それでも、

「これでもう安心だ」

と思ったことはありませんでした。

むしろ、ずっと不安は残っていました。

会社が倒産するかもしれない。

リストラされるかもしれない。

病気になって働けなくなるかもしれない。

また正社員として働けなくなるかもしれない。

20代の頃に低収入と不安定な働き方を経験したことが、かなり影響していると思います。

どれだけ成果を上げても社員になれなかった経験が自分の脳裏に深く刻まれていて、

「努力を続けていれば今の収入がこの先もずっと続くんだ」

とは、なかなか思えませんでした。

だから年収が上がっても、生活水準を一気に上げることはありませんでした。

30歳で200万円、35歳で500万円

私の貯金方法は、いわゆる「先取り貯金」ではありませんでした。

給料が入ったら最初に5万円を別口座へ移す、といったことはしていません。

とにかく無駄なものを買わない。

節約できるところは節約する。

そして、月末に余ったお金をそのまま貯める。

そんな方法でした。

月によって差はありましたが、貯金できる金額は2万円から5万円程度。

ボーナスも、欲しいものや旅行に1〜2割ほど使い、残りはほとんど貯金しました。

30歳頃の貯金額は約200万円。

35歳頃には約500万円になりました。

そして、次に目標にしたのが、

「まずは1000万円」

でした。

特に明確な使い道があったわけではありません。

1000万円あれば何かあってもすぐには生活に困らない。

そんな安心感が欲しかったのだと思います。

「貯金だけでいいのか」と考え始めた

30代では、生活環境の変化に合わせて中古マンションの購入や住み替えも経験しました。

その中で住宅ローンについて調べるようになり、

低い金利で借りられるのであれば、貯まったお金をすべて繰上げ返済する必要はないのではないか。

と考えるようになりました。

住宅ローンを急いで返すより、そのお金を別の方法で運用するという選択肢もある。

それまでの私は、

「借金はなるべく早く返す」

「余ったお金は貯金する」

という考え方でした。

でも、この頃から、

「お金をどう置いておけば、一番効率がいいのか」

ということを考え始めたように思います。

マンションの購入・売却については、利益が出たこともあれば、諸費用まで含めると損失になったこともあります。

この話は長くなるので、住宅については別の記事で詳しく書こうと思います。

私にとって株は「手を出してはいけないもの」だった

とはいえ、最初から株式投資に前向きだったわけではありません。

むしろ逆でした。

当時の私にとって株は、

うまくいけば一攫千金。でも失敗すれば人生が終わるもの。

そんなイメージでした。

テレビなどで見る株の話といえば、

「大儲けした」

「大損した」

という極端なものが多かったように思います。

だから、

普通の会社員が資産形成のためにやるものではない。

くらいに考えていました。

母からもらった配当と株主優待で、見方が変わった

そんな考えが変わったきっかけのひとつが、母でした。

母は株式投資や不動産投資をしていました。

あるとき、母が保有している株から受け取った配当や株主優待を、私にも分けてくれました。

そのときに、株について少し話を聞く機会がありました。

株を持っていると配当金がもらえること。

企業によっては株主優待があること。

値上がり益だけを狙うものではないこと。

それを知って、

「株って、思っていたものと違うかもしれない」

と初めて感じました。

一攫千金を狙うギャンブルではなく、うまく使えば日々の生活や将来の資産形成にも役立つ。

それまでのイメージが少しずつ崩れていきました。

初めて買った株は約54万円

2019年頃、私は初めて個別株を購入しました。

最初に買ったのは、母が保有していたことをきっかけに興味を持ったJT。

100株、約24万円でした。

さらにソフトバンクを200株、約30万円分購入しました。

合計すると約54万円です。

初めて株を買うにしては、それなりの金額だったと思います。

でも、不思議とそれほど怖さはありませんでした。

自分なりに、

「景気の影響を比較的受けにくそうな会社」

を選んだつもりだったからです。

もちろん、今ならどんな株でも下落する可能性はあると分かっています。

でも当時は、

「なるべく大きく失敗しにくそうなものから始めよう」

という考えでした。

コロナ禍で投資について考える時間が増えた

その後、コロナ禍になりました。

外出する機会が減り、家にいる時間が長くなったことで、どの銘柄を買うか調べたり、投資について考えたりする時間が増えました。

少しずつ投資額も増やしていきました。

ただ、当時の私はまだ投資について十分に理解していたわけではありません。

旧NISAでも、基本的には個別株を買っていました。

今振り返れば、

長期・分散・低コストで資産形成をするなら、インデックス型の投資信託という選択肢がある

ということを、もっと早く知っておけばよかったと思います。

当時は、そこまで深く勉強せずに始めてしまいました。

『お金の大学』から、投資を本格的に学び始めた

投資について調べる中で、『お金の大学』という本を読みました。

そこから、お金についてもっと勉強するようになりました。

YouTubeで資産形成や節約についての動画を見る。

投資について書かれた本を読む。

そうやって少しずつ知識を増やしていきました。

山崎元さんの『ほったらかし投資術』も、その中で読んだ本のひとつです。

知れば知るほど、

「投資=ギャンブル」

という昔の自分の考え方が間違っていたことに気づきました。

もちろん、投資には損をする可能性があります。

でも、リスクを理解し、分散し、長期で運用する。

そうすれば、一か八かの賭けとはまったく違うものになります。

現金1000万円を貯めてから、投資信託へ

その頃までに、現金は約1000万円まで増えていました。

振り返れば、もっと早く投資を始めていてもよかったと思います。

それでも、現金を貯めていたことがすべて無駄だったとは思いません。

投資を始めるための元手ができました。

そして何より、

「万が一、投資で失敗してもすぐには生活に困らない」

という安心感を持つことができました。

生活防衛資金を確保できていたことは、投資を続けるうえでも精神的に大きかったと思います。

会社の制度変更をきっかけに企業型DCにも加入し、その後、新NISAが始まったタイミングで投資信託を本格的に買うようになりました。

私の資産形成は、

貯金だけ
↓
個別株
↓
企業型DC
↓
投資信託

と、少しずつ変化していきました。

最初から最適な方法を知っていたわけではありません。

そのときの自分なりに調べて、試して、少しずつ修正してきた結果です。

もっと早く投資しておけばよかった

30代の自分に今ひとつ言えるとすれば、

「もっと早く、お金について勉強しておけばよかった」

です。

低金利の銀行口座に現金を置いておくだけではなく、余裕資金の一部をもっと早く投資に回していれば、今の資産はもう少し増えていたかもしれません。

不動産や投資信託についても、もっと早く知識を持っていれば違う選択をしていたと思います。

でも同時に、30代でやってきたことすべてを否定するつもりはありません。

節約したこと。

現金を貯めたこと。

転職して収入を上げたこと。

マンションを購入したこと。

どれも今につながっています。

特に、貯金を続けて生活防衛資金を作ったことは、今振り返ってもよかったと思います。

問題だったのは、

「失敗するのが怖いから、何もしない」

という状態が長かったことです。

正しい知識を得て、まず動いてみる

私は長い間、

「もっと収入を増やしたい」

「会社に頼らず生きられるようになりたい」

と思っていました。

でも、思っているだけで行動できていないことも多くありました。

投資についてもそうです。

怖いものだと思い込んで、きちんと調べる前から遠ざけていました。

副収入についても、

「何かできればいいな」

と思いながら、実際にはほとんど動いていませんでした。

今振り返ると、30代で一番学んだことは、

正しい知識を自分で取りにいくこと。

そして、

調べたうえで、失敗を恐れすぎず行動すること。

この二つだったと思います。

貯金だけだった私の資産形成は、少しずつ「増やす」方向へ変わりました。

そして40代になると、次は、

「何のためにお金を増やしたいのか」

を考えるようになります。

お金そのものが欲しいわけではない。

欲しかったのは、お金によって得られる選択肢でした。

この考えが、今の私がFIREを目指すことにつながっていきます。

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